ガブXスカイウォーカー

アルティメット・サイクロンのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.6
邦題『アルティメット・サイクロン』(Life on the Lin)、ジョン・トラボルタ、シャローン・ストーン共演。この邦題、キャスト、そしてDVDジャケットを見たら、誰もが、ジョン・トラボルタとシャローン・ストーンの熟年カップルが大嵐に立ち向かう決死のディザスター・パニック映画を期待することだろう。

実は物語の大半はラインマン(架線作業員)たちとそのファミリーの日常で、大嵐と戦うような話ではない。
アルティメット・サイクロンなんて名前は劇中に出てこないし、大嵐は上陸せず、接近した影響で電車が脱線したり電柱が倒れたりして各地で大停電する程度だ。DVDジャケットのような、巨大竜巻が町を破壊するシーンなんてない。邦題とDVDジャケットは煽りすぎだ。

しかもシャローン・ストーンは当時まだ58歳なのに(特殊メイクなのかもしれないが)すっかりおばあちゃん顔だ。色気ゼロで出番も少ないし、何よりジョン・トラボルタとの共演シーンは一切なし。シャローン・ストーンの無駄使いと言えよう。

だがラインマンたちとそのファミリーの絆のドラマは時に険しく、時に暖かく描かれている。くず野郎だったジョン・トラボルタが兄の死をきっかけに立ち直り、さらにその志が後輩に引き継がれていく展開は泣かせてくれる。今作はTVスペシャルレベルではあるが、大スペクタルなVFXやサスペンス性を期待しなければけっこう感動できる良作であろう。