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映画 夜空はいつでも最高密度の青色だのyのレビュー・感想・評価

4.0
最果タヒさんがとても好きなので観ました。本当にうまく詩集の世界観を一つの物語として表現していると思った…
東京の夜。それを知らなくても薄気味悪いくらいにどこか混沌とした世界、空気が薄く閉塞感のある、得体のしれない世界に予期せず堕とされてしまったような…そんな感覚に覚えのある人なら馴染みのある空気感なのではないだろうか。あんまり感じていたい空気ではないけど妙な懐かしさがある…。
そんな息もできないような世界である時誰かと道が交差することもある。偶然の巡り合わせを重ねる中で、不器用ながらも二人で昨日よりほんの少し楽な息の仕方を覚えていくような。すると今度はそれまで得体の知れなかった世界がひとつの側面に過ぎないことを知り、気付けば全然知ることのなかった世界に来ていた。あの日と同じ世界、何が変わったのだろう。けれど何もかもが変わった気がする、観終わったあとには爽やかな気持ちになれる、きっとそんな話。
余談ではありますが最果タヒさんのこちらの詩集のあとがきがとても生きる勇気をもらえるのでお勧めで、個人的にはその2ページが人生を変えるくらいに胸に響く文章だったので、(詩も勿論素晴らしいのですが)映画の雰囲気や言葉がお好きだった方は是非一度読んでほしいです…
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