何のためにこんなことをするのかと本気でわからないシーンがいくつかあり、皆様のレビューを拝見しながら真実を知ると共に時間差でドーンときてしまう……差別することが「当たり前」みたいな、言動もだけど醜悪な行為も、そこに罪悪も何も感じていないようなその様が恐怖。
今は昔よりも多様性が重視される時代に確かに変わってきていると思う。しかし異なるものを淘汰しようとする意識、侮蔑する対象を作り上げて優越を得るそんな碌でもない感情が私たちの内から完全に消えたのかというとそんなわけはない。そういうものに自分もまた覚えがあることに吐き気がする。自らの心の弱さに負けないことも然り、他者や社会に植え付けられてきた呪いから目を覚ますことは本当に難しい。他人に流されるのではなく「あなた」はどうしたいのか？「あなた」の正しさは何なのか？そういったことを何度も、何度でも自分自身に問いかけていきたい。人間みんながその呪いを解いたときに初めて差別はなくなるんだと思う。
考えさせられる映画。青みがかった画面や水の中で遊ぶシーンがとても綺麗だった。
