RAMPO

アイム・ノット・シリアルキラーのRAMPOのレビュー・感想・評価

4.2
ソシオパスVSシリアルキラー…う〜ん、なるほどそうきたか。

死体や殺人に異常な関心を示し、時にその衝動を強く感じ、自分にルールを課して抑えこんでいた主人公が、いとも簡単に人を殺してしまう連続殺人鬼を目にしてとった行動とは…。

起こっている殺人事件は陰惨で、場面によってはかなりエグい描写もある一方で、冬の田舎町の美しい風景描写も絡めて丁寧に描かれている(工場?から排出される濃い蒸気がとても印象的です。)ので、全般的にはダイナミックな展開はないものの、飽きることなく見れました。

殊に中盤から展開する主人公と殺人鬼の対決シーン(特に殺人鬼に正体がバレる前までの追っかけっ子)は、かなりハラハラドキドキさせられました。最近、ホラー、サスペンスを謳っていても、ちっともそういう感想を持てないものも多い中、結構な満足感を得られましたよ。

なので、おそらく本作の評価を分ける大きな要因になっていると思われるトンデモなオチは、個人的には好意的な驚きをもって受け止めてます。

そもそもソシオパスとシリアルキラーの対決って時点で、よくもまぁそんな話を思いつくなぁって所から入ってますので、普通なら違和感を覚えるだろう主人公の感覚や言動が、ソシオパスって設定によって説得力さえ感じる一方、何で死にかけジジィにみんなホイホイ殺されるん?って部分だけ納得がいってなかったので、むしろこのオチがあることでこの物語は破綻なく完成してる、なるほど!って感心しちゃいました。
(それによって、主人公が最初に目撃する殺人シーンでの、異様な凶器の正体や、妻の元に駆けつける殺人鬼の異様なシルエットも、伏線として回収されてますしね。)

評判は悪くない印象があり観るのを楽しみに取っておいた作品。鑑賞後にこちらでの評価が割れてるのを知って意外に思ったのですが、個人的にはかなり好きな作品です。
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