やわらか

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺんのやわらかのレビュー・感想・評価

3.8
百年ぐらい前のロシアを舞台にした物語。未踏の北極点を目指して消息不明になった祖父を追って自らも北極海に向かう少女、サーシャのお話。主にヨーロッパ市場に向けた作品になるのかな?
 
一番印象に残ったのは「絵」かなぁ。どのシーンもきっちりと構図の美しさが担保されていて、いつまででも観ていられる(はちょっと言い過ぎか)。特筆すべきは雪の表現で、全体としては記号化されたキャラ・景色でありながら、そこだけリアルに見せることで、容赦ない吹雪の厳しさが強調されてる。
 
ストーリーとしては、祖父やサーシャの極地への執着が、同行の船員たちに共有されていないことがポイントか。結果、彼らの命を危険にさらし反発につながるなど。その責任をどう考えるかは観る人によって違うと思うけれども。(主人公もほかのキャラもそうだけど、騙されて金や貴重品を奪われたり、反乱を起こしたり、途中で何かゴタゴタした後に、割とみんなケロっとしてるのは気になるけど)

北極圏に一人で向かう姿は、昔読んだ(子供向けの)「フランケンシュタイン」の最後の方のシーンを思い出す。まぁ、ストレートな作りで好感が持てる、幅広く勧められる作品てとこでしょうか。
やわらか

やわらか