ゴリラ

ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女のゴリラのレビュー・感想・評価

3.0
ホ・ジノ監督作7本目

といっても“『八月のクリスマス』を撮った監督の作品”として観るより“ソン・イェジン主演による皇女の伝記映画”として観るのが妥当か…
予想はしていたがホ・ジノ感はゼロ

日本における韓国映画の観客動員数1位は『私の頭の中の消しゴム』、2位『四月の雪』、その両作で主演し、昨年『愛の不時着』も大ヒットと正に“韓流ブームの顔”と言うに相応しいソン・イェジン

そんなソン・イェジンの女優としての転機は『荊棘の秘密』だと勝手に思ってる
彼女の出演作を全部観たわけではないが、それまで『ラブストーリー』や『私の頭中の消しゴム』などから清純派、ビジュアル先行型のかわいいだけの女優ってイメージだったが、『荊棘の秘密』のクレイジーママっぷりで、普通のソン・イェジンからスーパーソン・イェ人に覚醒!
それまでのイメージをブッ壊しにかかったような狂気っぷりには感動すら覚えた

そんなソン・イェジンの勢いづいた演技が本作でも発揮!
中盤までは抑えていたが後半に入って数回スーパーソン・イェ人に変身してたわ
髪色は金色になり逆立って見えたのは俺だけだろうか?
…うん、俺だけだろう…
彼女の少女時代を演じたキム・ソヒョンはかなりはまり役
確かにこの娘が成長したらソン・イェジンになりそうな顔立ち
声まで似ていた!

-----------------------ネタバレ--------------------

大韓帝国最後の皇女徳恵翁主については全く知らなかった為、すんなり全てを受け入れて楽しんだ
正に“激動の時代に翻弄された”と言うワードがピッタリくるような不憫な生涯

ただ、後々調べると中盤の一番盛り上がる展開がガッツリフィクションなのね…
冒頭で事実を元にしたフィクションだと出てるとはいえ、実際の徳恵翁主の生涯を調べると結構印象が違う
映画では“故郷を思い続け独立運動を支えた闘士”のような描き方だが、実際は母の死をきっかけに精神を病んでしまった不憫な女性といった印象

なんだか国産うなぎだと思って美味しく食べていたら、後々中国産って分かったような気分だろうか…
こんなこと言ったら『鰻の男』に怒られそうだな…

まぁ、スーパーソン・イェ人が良かったので良しとしよう!
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