COLORofCINEMA

ドリームのCOLORofCINEMAのレビュー・感想・評価

ドリーム(2016年製作の映画)
4.2
●冒頭からの語り口が素晴らしくよい。
そして、全体から醸しだされるトーンが上品だ。
トイレやバスの座席、学校(白人専用という壁)、図書館など黒人差別がはっきりと行われていた時代。
ロケット軌道計算(チェックのための再計算も)などを行う非常に重要な仕事、計算手。にもかかわらず、黒人で女性というだけで別棟の窓もない部屋に押し込められて働くドロシー(オクタヴィア・スペンサー)たち。
そんな環境の中にあっても深刻にならず持ち前の前向きなエネルギーで突破していく聡明なる女性たち姿に元気づけられる。
そして、本編全体にある"誰かが支えとなって応援している(してくれる)"空気。
●ケビン・コスナー演じる本部長ハリソン。マーキュリー計画を成功させるためへの静かなる決意を感じる。そこには人種差別もない。必要なのは安全に確実に宇宙飛行士を送り出し帰還させること。職務のためには壁もない。いい役だ。
そのハリソンが黒人専用とかかれた化粧室の看板を壊す件(くだり)は、ちょっと胸熱なシーン。
●『ムーンライト』でも素晴らしかったマハーシャラ・アリ。本作でも包みこむような優しさに溢れている。夫に先立たれて女手ひとりで子供3人を育てていたキャサリンへの誠実な対応(初対面の時の非礼さの謝り方)そして、プロポーズシーン。ここにも"支えとなって応援してくれる"人がいる。
COLORofCINEMA

COLORofCINEMA