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サマーフィルムにのってのCOLORofCINEMAのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.2
●そうそうそう!こんなノリ、こんな感じ。
昔、学園祭クラスで映画を作った時、河原で乱闘シーンを撮っていたら、あまりにリアルすぎたのか近所の人が通報して警察来たこと思い出した。ストーリーは忘れてしまったけど、こういった製作途中の楽しさはよーく覚えてる。撮り直しがきかない中の一発本番。上手く撮れたかは現像が出来上がるのを待つしかない神のみぞ知る所業。
そして、本作ではキラキラ映画班ともにMac Bookで行っていた編集も、当時は8ミリフィルムをスプライシングテープで切り貼りする超アナログ作業。
それにしても昨今の映研、あー!スマホで撮るのかぁぁぁ。
ハダシ(伊藤万理華)監督、羨ましいー、撮り放題。
●伊藤万理華の動きというか身体性、表情の豊かさは凄い。
どーすれば、あんな漫画みたいな動きができるのか。
肩がぐっと上がって力んだ姿が、いかにも時代劇マニアの映画監督を体現している。
河合優実は「佐々木、イン、マイマイン」で知ったけど、ハダシのアシスト(映画も凛太郎との恋も)を少ない台詞でつないでいく。(本作以降、さらに出演作多々、質も充実。凄すぎ)
祷キララの「本当は私もキラキラ恋愛映画に出たい」を隠しての「お、おぅ」といったハダシに合わせた気概もうまい。
●ラストの凛太郎を切ってしまうと映画が終わる、すると未来の映画も終わってしまうということでの、エッ?!、え、演劇、みたいな唐突なオチも好きだ(噂の壁ドンw)。
設定、整合性を超えた宇宙の真理「これでいいのだ」を体現している。
●このフレームはみ出す楽しさはなかなか撮れない。もちろん演者が、まるで本当に「映画、撮るよー」と声をかけ、巻き込んで、集まった仲間たちになっているのも本作、多幸感の要因。
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