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遠い夜明けののんchanのレビュー・感想・評価

遠い夜明け(1987年製作の映画)
4.2
南アフリカの刑務所から木片で作った鍵🗝で脱獄した『プリズン・エスケープ』に感化され、今作はリチャード・アッテンボロー監督による、1970年代のアパルトヘイト下の南アフリカ共和国🇿🇦における実話‼️

黒人運動家のスティーブ・ビコ(デンゼル・ワシントン)と親交のあったリベラル派の南アの有力紙デイリー・ディスパッチ紙の白人新聞編集長ドナルド・ウッズ(ケビン・クライン)の生きざまを描いている。
原作はドナルド・ウッズ本人‼️


ビコは政府や警察から"危険人物"として拘束、軟禁されていた。
ウッズが自宅を訪ねると
「世界の歴史は白人が作り記録したもの。テレビ、車、薬も白人の発明。そういう世界で育てば黒人自身が劣等と思う。我々黒人の最大の問題は、白人の差別より自分たちの劣等意識だ」と。

ウッズはビコの考えを理解し、その活動を支えようとするが、1977年、ビコは逮捕され警察の暴行により獄中死してしまう。それを警察はハンガーストライキによる死亡と発表する。

ウッズはこの南アの実情を世界に伝えるべきと考え、手記として発表するためにイギリスへの亡命を決意する‼️

ウッズは髪を染め神父に成りすまして国境を越える。家族は別行動でなんとか無事に落ち合うまでが丁寧に描かれている。

ラストは悲惨過ぎる警察による"ソウェトの暴動"が描写されている。
そこで死亡した学生は700人、負傷者は4000人を超えたと言う😖

『黒人の子は利口だろうと馬鹿だろうと、こういう世界に生まれついて死ぬのだ』
と言う言葉にハッとする。
なんとも悲しい話では済まされない。こんな事実が南アフリカで起きていたのだ。


ネルソン・マンデラ氏は長い投獄中だった。ビコの死後、黒人解放運動はさらに高まっていく。
マンデラの開放からようやく1994年にアパルトヘイト政策廃止となった。

民主化後は経済的にも発展し、2010年にはアフリカ大陸初のサッカーワールドカップも開催されたのは記憶に新しい。
現在はコロナワクチン接種率の高い国となっている。


※デンゼル・ワシントンは当時32歳。イケメンだがとっても痩せていたのね。
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