もう登場人物全員アホ
最後に助かったハ・ジョンウが叫ぶ。
「お前ら全員クソだー」そのとおりっ!
儒教社会のアホらしさが全開。
ハ・ジョンウ作品で初めて微妙なものを見てしまった。まあ誰だって100%なんて事はないんだが、この作品には出なくてよかった。お疲れ様。
近年になって次々起きる災害大事故が何となく国への信頼を損なわせている。手抜き工事や人災がもうお家芸みたいになっている韓国社会。そんな自虐が製作陣のベースにあるのだろう。それゆえかこの映画の中の役所もマスコミも恐ろしくクソ対応の連続だった。
一番引いてしまったのは、旋盤の歯車が当たって亡くなってしまった現場監督の母親が、わざわざ主人公の妻であるペ・ドゥナに向かって卵を投げつけに出てくるところ。ここまでして「恨」を表さないといけないの。自虐を通り越してもう逆プロパガンダか。
こんなやりすぎ描写、煽りのシーンが連続して描かれるせいで映画である事を忘れただ茫然となる。エモーションが動かない。正直クライマックスがどこなのかもはっきりしなかった。。
人は現実を忘れるために映画を見るだけじゃないし、映画の中に現実社会風刺があってもそれはむしろ望ましいことなんだがちょっと盛り込み過ぎでは。ただただバランスの悪いものになってしまっている。
そもそも社会風刺とパニック映画って相性があるのかな。でもいくらダメ社会だからって最後は人なんだっていう所を見せてくれなければ客は満足出来ないんじゃないすかね。
クドいが、開通して間もない新築のトンネルで崩落事故って、、普通あるかーい。日本でも少し前笹子トンネルかなんかの事故があったが、あれはメンテナンス不足での事故だもの。
おいそんな国あるかよ。と段々気持ちが荒んでいく。ダメだ、気持ちの切り替えが必要だ。
というわけでネトウヨに染まっていく気持ちを疑似体験出来るという意味でこの映画、オススメです!!
(2019.6)