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アタック・ナンバーハーフのdm10foreverのレビュー・感想・評価

アタック・ナンバーハーフ(2000年製作の映画)
3.7
【寛容な世界】

ストーリーはいたって単純なスポ根コメディものです。
ただ、よくある「頑張れば報われる」というテイストとは若干違うのがこの映画の特徴でしょうか。
主人公たちはバレーボールの才能はあるけど「普通の」人達とはちょっぴり違います。彼らはいわゆる「性的マイノリティ」と言われる「ゲイ」でした。
タイというお国柄か、日本や他の諸外国よりはこういう方が多いとは思いますが、だからと言って100%理解が得られているかと言えば決してそんなことはありません。やはりマイノリティであることに変わりはありませんでした。
それでも諦めずに頑張ることが出来たのは、ひとつには「微笑みの国」と呼ばれるタイの寛容性にもあるのかも知れませんが、それ以上に彼らがマイノリティであることを恥じずに前向きに生きているからでした。
実話というところも興味深いですが、演出として彼らが虐げられて潰されていくのではなく、笑顔で困難を乗り越えていく過程が明るく描かれていて、観ていて気持ちがよいものでした。日本では無理なんだろうな…。
どんなに頑張っても、やっぱり性的マイノリティに対する偏見の根深さはいかんともしがたい気がします。
微笑みの国だからこそこのテーマを題材にこの作品に仕上げることが出来たんだろうと思う。
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