このレビューはネタバレを含みます
数年前、漫画家の吉野朔実さんがご著書のなかで紹介されていて原作を読んだことがあるはずなんだけど、あまり思い出せないまま鑑賞。
姉妹と伯父さん三人の生活に突如として現れた従兄弟のチャールズ。はじめは、異様な家族にメスを入れる常識人か?と思われたが、次第にその仮面は剥がれ、まるで父親になり変わったように、姉を誘惑し、家を支配しようとする。
コンスタンスはどこまでも純粋で、最後の最後までチャールズの暴挙を止めることができず、彼の甘い言葉に心惹かれるが、結局はメリキャットが始末する羽目に。
歪んだ形ではあるけれど、観ていくうちに愛してるよ、と言葉をかけあい、欠かすことなく一緒に食事をする姉妹の関係が段々と美しく見え、羨ましくなってしまった。
死体を処理し、ボロボロになった屋敷で恐ろしい会話を交わしているのに、どこか晴れやかな終わり。この後もきっと二人は、「ずっとお城で暮らしてる」。