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君の名前で僕を呼んでのcrnのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.5
こういうものを現代の耽美的作品と呼ぶのかと思わされる。ギリシャ彫刻から始まるイントロが象徴的。

区切られたひと夏の体験、二人の関係性、その禁忌性とそれに対する寛容な両親からの受容という、本当に限定的に成り立ったものを見せられる。舞台となる場そのものの景色とその中での生活の仕方、複数の言語や音楽が自然に含まれる状況が、鑑賞者からは異世界級の美しさで圧倒されてしまう。その中で、若い主人公の一つ一つの動きが率直で可愛らしさややりきれなさに溢れていて切なくなる。

次の季節に移り画面の色味ががらりと変わったところで、正面から主人公を見据える終わり方も素敵。あの夏が、ある時の出来事としてきれいに結していた。
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