藍住

君の名前で僕を呼んでの藍住のネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

清々しく、鮮やかな時間。
どんな結末であろうと、彼らの過ごしたあの夏の一瞬は、永遠に輝き続ける。
エリオとオリヴァーのやり取りの数々は忘れられない。
限られた時間の中でお互いの気持ちに正直になって、感情のままに動く二人はどこか危うくて、でも二人の時間を大切にしながらも、一緒に過ごそうとする彼らを観ていて、涙が出た。
そして、エリオのパパがエリオにかける言葉、エリオのママがエリオに優しく触れる掌。
全てを肯定してくれたこと。
そこがとてもとても良かった。

長い長い人生を歩んで行く中で、一生忘れられない時間を過ごしたエリオとオリヴァーを愛しく思う。
彼らの感じた痛みは、いつの日か彼らを前へと進ませる、背中を押してくれる大事な感情となるのだろう。

「Mystery of Love」がかかるシーン。
笑いながら、手を取り合って、名前を大事に呼び合う二人。
ラストでオリヴァーから電話がかかってきたシーンも、自分の名前を名前を呼んでいた。
この辺りはずっと泣いていて、目が痛んだ。
こんなに切なくて、痛くて、愛しいシーンは久しぶりで、どうすればいいのか分からなかった。
暖炉の火を眺めながら、涙をするエリオ。
このラストシーンを、私は一生忘れない。
今まで作られてきたゲイムービーの中で、この映画はわずかでも希望の見える終わり方へと変化していた。
それを私は嬉しく思う。

この映画を観て、本当に本当に良かった。
一生忘れられない映画のひとつになった。
これからも、ずっとずっと大事にしていきます。
藍住

藍住