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トゥルー・グリットの教授のレビュー・感想・評価

トゥルー・グリット(2010年製作の映画)
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ジョン・ウェイン主演の「勇気ある追跡」のリメイク(?)らしいが、そちらは未観。
何度も繰り返し言い続けてきた「物語論」としての映画が好き。

そういう意味で、西部劇版「ビッグ・リボウスキ」と思わせて、まさに「トゥルー・グリッド」な物語。
西部劇、というモチーフから生まれる「アメリカ」の郷愁。
少女と老人。
しかも頭は良いが感じの悪い少女と、ダメ男たち。という変な奴しか出ないのがコーエン兄弟っぽい。

グチグチ、ネチネチと会話をしながらも、ギョッとする処刑シーンや暴力描写が挟み込まれ「無法」の世界観の中でミニマムな「勇気」とか「正義」が炙り出される。
ある意味、西部劇という「神話」の旨みを寓話的にしっかり見せている。
しかもダメ男の与太話が延々続きながらも、利他的な正義を、最終的に「主人公にとっては」持っている、という点と、暴力への因果としての代償を主人公に与えるのも粋だと思う。

ジェフ・ブリッジスやマット・デイモン、新人のヘイリー・スタインフェルドや、ジョシュ・ブローリンなど俳優の演技も「さすが!」という感じ。最初から最後まで面白かった。
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