けーはち

ローガン・ラッキーのけーはちのレビュー・感想・評価

ローガン・ラッキー(2017年製作の映画)
3.3
『オーシャンズ11』等のスティーヴン・ソダーバーグ監督。不幸を抱えた兄弟(NFLで将来を嘱望されながら膝の怪我で転落、妻に逃げられ新しい仕事からは解雇され散々な兄チャニング・テイタム。元軍人だがイラク出兵で負傷し帰国、片手で店を切り盛りするバーテンダー弟アダム・ドライヴァー)が、爆発物の専門家ダニエル・クレイグを雇い、レース場の金庫を狙う。オーシャンズとは正反対で、サエない田舎の連中が一発逆転を狙うコミカルなケイパー映画(『ジーサンズ』の方が近いかも)。意図的だろうけど、ドタバタの割にはモッサリしたノリのせいでブラック・コメディと相性が悪く、不幸兄弟の不幸具合に関してちょいちょい笑い飛ばせないのが難点(弟君が笑いものにされながら片手で注文されたカクテルを作るところはなかなか見ごたえがあるが)。末っ子の妹(MMFRの赤毛のケイパブル役ライリー・キーオ)に男運以外の不幸はないのが救われるところ。とはいえ、都会的な犯罪映画とは違ったアメリカらしさが横溢した逸品。オチは割と後出しジャンケンだが、ソダーバーグらしい痛快さがある。