竜平

ブレア・ウィッチの竜平のレビュー・感想・評価

ブレア・ウィッチ(2016年製作の映画)
3.3
擬似ドキュメンタリー、通称「モキュメンタリー」の手法による主観映像(POV)ホラー『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の続編。

余談として、今作よりも前に『ブレア・ウィッチ2』という一応の続編が作られたらしい、けど今作こそが“正統な”続編とのこと。あーはいはい、人気の出なかった作品をなかったことにするパターン、あると思います。というわけでそっちすっ飛ばしてこっちを鑑賞。舞台は前作から20年後。前作で行方不明となってしまった三人のうちの一人「ヘザー」の弟が、ひょんなことから姉を探すためにまたしても曰く付きの森へ、という内容。20年という時代の変化と共に機材の種類、持ち込む数、撮影方法も増えて、更に画質まで良くなってるもんだから描写としては前作よりも俄然見やすい。技術の進歩ありがとう。森に入る人数と、そこにある見えない思惑というのも増えつつ、今作では森の新ルールというか新要素も出てきたりして前作以上に予測不能、且つ不条理な展開。極限状態で怖がるやつ、すぐカッとなっちゃうやつ、それでもカメラを回し続けるやつ、嘘や隠し事をするやつなど前作にもあった人間模様の旨味もしっかり踏襲。で、結局わからない部分が多いのは間違いないんだけど、今作はなんというか、なかなかやりたい放題。ビビらすだけならまだしも何やらキモいのとかも出てきて、あからさまな感じもちょい目立ったり。個人的な感想ではあるけども、前作で「足りない」と思ってた部分が今作では「あざとい」というか「やりすぎ」というか。うん、ホラーって難しいね。

まぁでも複数のカメラを駆使した映像演出、最新のカメラによる鮮明な映像と少し古いカメラによるちょい画質の劣る映像の使い分け方などなど、ここらへんは感心してしまうほどに上手だなぁなんて。記録映像風(ファウンド・フッテージ)ならではのちょっとした謎の作り方というのも絶妙だなと。総じて、前作よりは好きかも。いやしかし、もし自分がこんな状況に立たされたら発狂して何もできないわ。おしまい。
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