なんたるオトナ映画。
演出に抑制が効きすぎている。いい意味で。
もっとわかりやすく泣けるかと思ったけど、そう簡単には泣かせてくれない系作品だった。
メインのふたりは、お互いに感情を爆発させるのではなく、それでも静かに熱くお互いを思い、求め合う。誰かを心から求め、愛するって、こういうことだよな。それは、別に性別とか関係なく。
同性愛に対してどうこうというのではなく、人間の愛について、とても普遍的で、でもともするとロマンスを描く凡百の恋愛映画が向き合ってこなかった、人生における愛を描いているのかもしれない。
おそらく、二度三度と回数を重ねるたびに、登場人物たちへの感情移入の度合いも増し、涙腺もやられるのだろう系映画。
これが作品賞になってしまう、アカデミー賞も捨てたもんではない。