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マエストロ:その音楽と愛とのhikarouchのレビュー・感想・評価

3.7
音楽映画かと思っていたらー、倦怠夫婦映画でーしたー。チッキショオオオオ!!!いや嬉しいけど。

冒頭から、ブラッドリー・クーパーの老けメイクがすごいよ。これだけ接写されてもウソモノに見えない。そして美しい、あまりに美しい青い瞳。吸い込まれそうだ。

そしてキャリー・マリガンの演技が凄まじかった。これでオスカー獲らないのはビックリ。エマ・ストーンの体当たりに負けた感じか。

印象派絵画のような美しい緑地や公園や庭が印象的。この絵を見ているだけで恍惚としてしまう。

風の噂によると、あの「TAR/ター」の主人公のキャラクターのインスピレーションになっているというレナード・バーンスタイン。なるほど、自分の落ち度を認めようとせず、他の人間を下げることで他人を説得したり誤魔化そうとするところは、相通ずるものを感じる。ターはめっちゃ陰キャで、バーンスタインは圧倒的に陽キャだけど。彼のセクシャリティを徐々に明かしていく様子も良い。

その様子を横目で見ながら、毅然と振る舞いつつ、でも腹の底でマグマをたぎらせているフェリシア。天才音楽家の妻としての自分と、俳優としての自分と、母親としての自分と、それらの間で揺れ動きながらも強くあり続ける女性としての演技が凄かったねほんとに。


鑑賞からだいぶ時間が経ってしまい、いま思い出せるのはそんなところだ。
前半より後半にグッとドライブがかかって面白くなった。と、メモには書いてありました。ご参考まで。
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