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デューン 砂の惑星PART2のhikarouchのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.1
おと!音の圧!(となりのトトロより、「ネコ!ネコのバス!」のときのメイちゃん風)

まずとにかく音がやべえ。1作目は配信視聴だったので、IMAX DUNE初体験だったけど、これだけ強い音に晒され続けたのは初めてかもしれない。かといって、鼓膜が破れるとか耳が痛くなるような音ではなく、腹に響く爆音なのでご安心。もうこの体験だけで、劇場で見る価値があるのではないかと思ってしまう。

映画の感想を簡潔に書くと、めちゃくちゃセンスのある人が、めちゃくちゃ能力の高い人達を集めて、めちゃくちゃ金をかけて作った、厨二病映画だったなと。

復讐のカタルシスとか、血統に決闘、師弟関係、カルト宗教などなど、あの頃のジャンプ漫画そのものって感じてしまう。(どの頃だ?)

宇宙戦記モノSF小説の始祖のような作品(※)らしいので、そういう風に感じてしまうというのはあったと思う。スター・ウォーズはもちろん、ゲーム・オブ・スローンズとか、はたまたナウシカやドラゴンボールすら想起させるようなシーンや世界観が数多くあった。砂の惑星はタトゥイーンだし、ワームという猛獣を乗りこなす伝説はドラゴンを手懐けるデナーリスだし、あの青い水はカリン塔の超神水だしね。(NOT超聖水。)
※この辺の話は、1作目公開時のアトロクの特集がとてもおもしろかったのでオススメ。https://open.spotify.com/episode/75N2yK5g1zegEtTtokES6E?si=uFTxC16YRmi9qIwnFMf2Ow

はじめに書いた音も含めて、アクションシーンは凄まじかった。特に、攻めてくるハルコンネンの部隊を次々に返り討ちにしていくところの途轍もない火力は笑ってしまうほど。そうか、IMAXって単に画面がデカいってだけでなく、縦に高いんだなあなんてことにもあらためて気付かされた。
1作目同様、キメの画もバキバキに決まっていて良かった。目だけを出した砂漠スタイルのシャラメもカッコ良すぎるやろ。スタイルも美しいし、今回は野太い声で一括するところも良かった。シャラメ見るだけでも十分に元が取れる。

プロットそのものに斬新な驚きや感動はなくて、心のどこかで「ハイハイ、やってるなぁ~(ニヤニヤ)」という感じではあった。あの人との再会なんかも、1作目感想時点での予想どおりだったし笑。

原作を読んでいないので比べられないのだが、ハルコンネンが、プーチン+金正恩過ぎませんか?ファーストネームが"ウラジミール"ってさすがにやり過ぎでは。この世界の構図が、西側世界から見た中東であり、ロシア(ソ連)など仮想敵国でありというのがちょっとイマサラ感もあるという以前に、観賞中に現実世界を思い出してちょっと冷めちゃうんだよね。この作品には異世界を求めて見に来てるのに、現代の世界情勢のこととか思い出したくないんだよな。

あとやっぱ、166分は長い。自分にはこの時間集中を保つことができない。本作も、もう少しツマめば130,140分くらいにはできそうだった気がするし、三部作にするなら2時間×3本とかでなんとかなりませんかね。でも過去のこの手のシリーズモノを考えると、3作目は最長になりそうよね。。。

全然良かったんだけど、おれは1作目の方が好きだったかも知んない!!(多分マイナーな感想。)

話は違うけど、これだけの作品が、いくら平日のレイトショーとはいえ、初週のIMAXでガラガラってのは、我が街の映画事情はかなり残念。そりゃコナンやドラえもんばっかりになるわなあ。
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