Yukiko

ムーンライトのYukikoのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
3.9
2019年2月18日
『ムーンライト』 2018年制作
監督、バリー・ジェンキンス。

第89回アカデミー賞最優秀作品賞受賞。

話は3部構成で、リトル、シャロン、ブラックという3つの項目に分かれる。
同じ人物なのだが、それぞれその成長段階で愛称が異なっており、
主人公を演じる俳優も異なっている。

子ども時代のシャロン、愛称リトル。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案の男の子。
薬物の売人フアンと知り合う。
フアンは女友達テレサの家へ連れて行き、シャロンに親切にしてくれる。
フアンから泳ぎと、人生は自分で切り開かなくてはならないのだと
教えられる。
が、フアンはシャロンの母に薬物を売っていたことをシャロンは知る。

10代の年頃のシャロンは、学校でケヴィンと親しくなる。
シャロンの母は薬物中毒。フアンは死亡。テレサとは交流。
ある夜、シャロンとケヴィンは男同士だが触れ合う。
だが、いじめっ子のグループがケヴィンにシャロンを殴ることを強要。
ケヴィンはシャロンを何度も殴る。
翌日、シャロンはいじめっ子グループの主犯格を椅子で殴りつけ
警察に逮捕され少年院に送られる。

その後、大人になったシャロンはブラックと呼ばれる。


映画はシャロンの人生を淡々と描いている。
貧しい家庭の黒人の子どもの生き様、ちょっとしたことでつまずき、
少年院に送られ、結局は生きていくために薬物の売人となる。

何が悪いかって?母親の育て方がまず問題ですよね。
後日、更生中の母がシャロンに、「愛情をかけなければいけなかった
時にそうしなかった」と悔いていますが、この母親の考え方や
行動次第で、シャロンの人生が変わると思う。
シャロンを放っておいて育てず、薬物中毒の母親は、後々、
いくら更生したところで、時すでに遅し、あの母にしてこの子あり
になってしまった。
やりきれない話ですが、そこは映像がきれいで、ストーリーも
淡々としているのでさらっと観れる。

前半より、中盤から引き込まれる映画です。

他の方のレビューにありましたが、ポスターのシャロンは
3人の合体した顔、子ども時代、10代、大人のシャロン。
そうなんだと改めて映画のポスターを見直しました。
Yukiko

Yukiko