TAK44マグナム

Brico Killer(原題)のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

Brico Killer(原題)(2007年製作の映画)
4.0
凶器はホームセンターにあり!


気が狂った作業員が逆恨みしまくって虐殺の限りをつくす、反社会的にも程があるグログロ短編ホラーinYouTube!
例によって例のごとく日本語字幕などという気の利いたサービスはありませんが、サイレント映画に作り直しても平気なぐらいに単純なストーリーなので問題ないでしょう。


主人公は、うだつの上がらないブルーカラーのメガネ兄ちゃん。
今日も今日とて寝坊をして仕事を遅刻、渋滞のせいだと社長に言い訳したところで怒られて一日が始まります。
夜遊びしても女子に振り向いてもらえるはずもなく、無意味にテレビを観ながら缶詰を食べるしかないのでした。
しかし、テレビのDIY講座を眺めているうちに、「電動ドリルや回転ノコギリってクールだよなあ」と思うようになる主人公。
ホームセンターへ行ってみると、実に様々な「漢の仕事道具」が陳列されているではありませんか!
「俺もこれでクールな仕事人だぜ!」と言わんばかりに色々と買い込んだ主人公が意気揚々と顧客の家で水道管を修理していると、キャンキャン吠える飼い犬が五月蝿いのなんの!
「ゴチャゴチャと五月蝿いじゃワレ〜!ブチ殺しちゃるけんの〜!」
ついにストレスと我慢の限界がきた主人公は、バーナーで飼い犬の頭を炭にして、飼い主は頭の皮を剥いでプルンと露わになった脳みそにドリルを突き刺しちゃいますよ!
これでタガが外れた主人公。
渋滞を引き起こしていたバカップル、通りすがりのオッサン、更には同僚や社長までも次から次へとノコギリやハンマー、ネイルガンや結束バンドなどを正しく使って殺害しまくります!
そんでもって、バラバラにした死体も有効活用!
椅子や帽子掛け、電灯などの調度品にDIYで作り変え、侘びしかった部屋も真っ赤に美しく、死体色に染まるのでした。
主人公は悦にひたってましたが、こりゃ腐臭が大変そうDEATH!


いや〜、これ以上ないぐらい簡単に人体が四散したり、頭の皮がべろんとなったり、とにかく凄いことになっちゃいます。
前半は主人公のダメダメぶりを淡々と見せられるだけなのですが、リミッターの外れた後半は血まみれ残酷劇場がドバッと開演!
こんなのばっかり作っている監督の頭の中は、一体全体どうなっているんでしょうか?ちょっと心配!

でも、演出が稚拙だなと思っていると、やけにセンスのあるオシャレな絵面があったりもして侮れないんですよね。
特に、ソウル・バスも顔負けなタイトルデザインが格好いい!

仕事柄、カッターや金属製のヘラ満載の腰袋さげている毎日なので、たまに「スキルさえあれば、殺しの道具には困らんから必殺仕置人やブラックエンジェルスになれるんじゃね?」とか妄想することがあります。
そんなわけで、この主人公の気持ちも解らんでもないと言うか。
とは言っても、逆恨みで脳みそに穴あけちゃ駄目ですけどね。
う〜ん、やっぱり解るわけないか(苦笑)!

真面目な観方をすれば、銃器やナイフが無くても、日常のそこらじゅうに恐ろしい凶器が転がっているんだよ、という昨今のテロ事件や重大な殺人事件に警鐘を鳴らす映画ともとれるでしょう。
やはり狂人がロシアンマフィアをシバキ倒す愉快な映画「イコライザー」においてデンゼル・ワシントン演じるマッコールが実践したように、ホームセンターなどは殺傷凶器の展覧会場みたいなものじゃないですか。
ショッピングの際は、周りに目のイッちゃった挙動不審者がいないかどうか、どうかお気をつけくださいね〜!


YouTubeにて