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女神の見えざる手のおーたむのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.7
ロビイストという日本人に馴染みのない題材とジェシカ・チャステイン、評判の良さも気になって、見てみました。
いやぁ面白かったです。高評価も納得。

馴染みはなかったですが、だからこそロビイストの仕事は新鮮でした。
ぶっ飛んだヒロイン・リズの辣腕もあって、「ここまでやるか」「ここまで読むか」という場面がどんどん切り替わるので、息をつく暇がありませんでした。
また、銃規制強化の是非や、行きすぎたロビー活動、国民でなく票に動かされる議員など、考えさせる題材も多いです。
特に銃規制に関しては、作品自体は答えを出そうとしてないので、より考える余地が出来るし、上手いなと思いました。
とは言いつつ、やはり本作の本質は、社会派ドラマというより高品質のエンタテインメントで、だからこそこれだけ面白かったんだと思います。
展開のスピード感に、常に相手の裏を取ろうと動く頭脳戦の面白さ、そして最後に鮮やかに炸裂するどんでん返し。
まさか、こういう社会問題がモチーフの作品で、痛快かつ爽快な余韻を味わうとは思ってもみませんでした。お見事。

それにしても、ジェシカ・チャステインはさすがの存在感。
あんなエキセントリックな役でも、ちゃんと作品に品格をもたらしてくれます。
使う監督の気持ちがよくわかりますね。
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