rage30

スウィート17モンスターのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

スウィート17モンスター(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

親友が兄と交際してしまう女子高生の話。

父親が突然死し、唯一の味方だった親友もコンプレックスのある兄に寝取られてしまうと。
まさに崖っぷち状態に追い込まれる主人公は、同情すると同時に笑えるものがありました。

主人公の皮肉な物言いも面白い部分なのですが、自己肯定感の薄い彼女にとっては、あ~して毒づく事でギリギリ自分の尊厳を守っていたのでしょう。
しかし、そんな精神状態では他人を慮る余裕もなく、周囲には嫌われるばかり。

そんな面倒臭い主人公を受け入れていく男性達(教師とクラスメイトと兄)の存在が印象的でした。
何を言っても受け入れてくれる…父親代わりとなる存在を主人公は求めていたのかもしれないし、あの皮肉な物言いは愛情を確かめる為のテストだったのかもしれません。

最後の逃避先だった憧れの男にも振られ、嫉妬していた兄の本心を聞いて、自分を省みる主人公。
結局のところ、父親の死という現実を受け入れられなかった事から、自分の感情に固執し、いろんな歯車が狂っていってしまったのかな…。

本作を見て、想起したのは『エイス・グレード』です。
親が片親だったり、パーティーでぼっちになったり、最後に男で失敗するところも含めて、重なる部分が多い。
『エイス・グレード』の方がよりコミュ障な主人公なので、本作の主人公に乗れなかった人には、是非こちらをオススメしたいですね。
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