全編のクレメンテ・スシニ風耽美絵巻って感じでした。絶叫ではなく静かにゾッとさせる演出も丁寧で好み。
物語もじわじわ全貌が見えて怪異も強まり怖くなってくのは嫌なのですが、それよりも彼女の行く末を見届けてあげなければと感情移入に近い感覚を覚えさせてくれるところが凄い。
謎が残されたりするのですが、結局彼女がどちらであれ、正義側・マジョリティ側で私たちもやってしまいがちな愚行の方が主題かなと思うので全然良いと思う。
ただ伏線とはいえ、序盤のお父さんのご遺体のプライバシーや尊厳を軽く扱う描写は、因果応報的な匂いがしてしまい、ちょっとノイズになった。