Aria

アンダー・ザ・シルバーレイクのAriaのレビュー・感想・評価

5.0
◾︎1回目鑑賞 感想

なんなの…!!??
有無を言わさない映像のパワー。
シルバーレイクという町の不思議な魅力に
取り憑かれてしまった。

情報過多で一生懸命読み解こうとするも
光の速さで流れていくストーリーに
ついていくので精一杯。

とりあえず初っ端、リスの演技力に
心を奪われる。

リスがあの演技力だったら
犬にいたってはアカデミー賞に輝いて
LAの下層で暮らす人々の嫉妬を買ってもおかしくはない。笑

アーティストやクリエイターが多く住む
不思議な町シルバーレイクでは
陰謀なのか、はたまた偶然なのか
分からない謎や事件が多発している。

重度のオタクで家賃を払わず
毎日ふらついているサムは一体何者なのか。
家賃払わないくせに高級車のマスタングに乗っている。

好奇心や行動力があり頭もよく分析が得意。
彼も何かしらの才能があってシルバーレイクに来たのだろう。そして一度は大きな仕事をやって大儲けしたけれど、その後は燻っているという感じだろう。

自分たちの生活の中や
敬愛しているポップカルチャーには
必ず何かしらの暗号が含まれていて
知らぬうちに大きな陰謀に巻き込まれているのではないかと信じるサム。

同人誌のネタに感覚されて
身近に起きる出来事と都市伝説・陰謀論を
紐付けていく。

彼の見聞きしたものは夢なのか現実なのか
その境界線がどこにあるのかわからない展開(もしや境界線はないのかも)
を見ていて夢遊病ってこういう感じなのだろうかと思ったり。

映像のパワーがすごい
私からしてみれば有名人墓地での上映会とか現実に行われているイベントですら、非現実的に見える。

最先端のファッションや芸術を創造する町
だからだろうか。
全てが自分の常識とは離れていて
最早ファンタジー。

超有名なグレートデンとか
めまいくらいしかハッとしなかったんだけど
もう一回見なきゃ拾いきれないよ!!

明日早速2回目見てきます( ^ω^ )




◾︎2回目鑑賞 感想
2018/10/23 新宿バルト9
トークショー付き上映

1回目の鑑賞より落ち着いて観る事ができて、色々気づいた。

けど未だによく分かってない(笑)

オーディションの衣装なの!
と登場するヤリ友の女性は
女優志望で、見た目もエマストー…に
似ていてガーフィールドいじり炸裂。

Sexの最中に一瞬映るテレビでは
テニスの試合をしていて
少し前に公開していた
バトルオブザセクシーズとリンクする。

ガーフィールドよくこれで出演したな!


近所の美女は胸からヘソにかけて
ざっくり開いた白のワンピースで
金髪、ホクロときたらマリリン

部屋にある人形もマリリン
テレビではマリリン出演の百万長者と結婚する方法が流れてる。

既に一度観たから分かる事だけど
序盤のシーンでダイレクトにヒントを
置いていてずるい。

都市伝説オタクのおじさんの家にも
大量にフクロウの置物が置いてあり
完全にヒント、フラグになっていた。

ただでさえ突拍子もなく
ストーリーが進んでいくから
観る人は何と何が結びついているのか
さっぱりわからない。
というか前の出来事と繋げて考える事なんてこの映画では最早不可能。

だからこそ、いたずらに
気づくはずもないヒントを散りばめて
観ている人の無意識の中に情報を置いていく。

そしてふわっとした既視感を覚える。

既に私の中にある情報(見たことのある光景や聞いたことのある音楽)と、映画の中で急に突きつけられ、走り去っていく映像がどこかでフィットしているのか、なんだか心地良い。夢見心地というか。

ここまできて自分でも何を書いてるか
分からない。笑



トークショーでも言ってましたが
やれヒッチコックだ、リンチだと
自分の知識と映画を答え合わせしていく
というよりかは

何の脈絡もなく走っていくストーリーを
ただ受け入れて好きなシーンやバカで笑えるシーン、恐怖に震えるシーンを感じていれば

知らずのうちに吸収していた無意識の中にある情報がやんわ〜りフィットして

結果、なんかこの映画楽しい〜
ってなります。

分かる人にしか分からない事も然り。
だからこそこの映画の中のオマージュは
何とも結びついていないし
大きな意味があるわけでもない。

分からない人は普通に新鮮に見れば良いし
サブカルチャーの消費は本来そういうもの、というのは目から鱗でした。



劇中のソングライターはまさに衝撃。

青春時代に聞いていた音楽や
大ヒットソングの数々は
ソングライターが食事とSexの間に
ちょちょいと作ったものだという。

作った人間の情報とか出来た経緯とか
どういうメッセージが込められてるとか
そんなの知って何になる。

自分が好きだと感じるなら
他の情報なんて必要ない。

好きなまま何も知らずに
消費し続ければいい

これまでだってそうやってきたはず。



劇中、学生時代に聴いていた曲を
さらっとソングライターが弾き歌いしてて
嘘とわかってても一瞬ドキッとした。

これが本当にあいつが
鼻くそほじりながら作ったとかだったら
本当に知りたくなかったってなるから

ガーフィールドがキレるのも無理はない
Aria

Aria