ほしざわ

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣のほしざわのレビュー・感想・評価

5.0
評判が良かったので鑑賞
素晴らしい作品でした。天才を題材にしたドキュメンタリーや物語が好きな方は絶対に観た方がいいです。

天才の人生は常に波乱万丈である。
彼の人生が壮絶過ぎた、これが神様から愛された故のハンデなのでしょうか…?と言わんばかりに。
バレエに関しては全く無知ですが、彼が凄いのは素人目でも分かるほどズバ抜けていました。
天才はその才能が大きすぎるあまり、周りの人や自分自身を潰してしまう事がある、彼もその1人だったんではないでしょうか?観ている間は幸せってなんなんだろう…と考えてしまう程に…。
わたしの様な凡人は一度だっていいから特別な人間になりたい、何か才能が欲しいと言う欲求は少なからずあります。
故に、「普通の人生を歩みたい」と言う彼の言葉が本当に重かった…、そうか、これがきっと私たちは体験する事のない孤独なんだと、 天才は孤高であり、孤独である。

そして彼は、ダンサーとしての幕を下ろす。take me to churchは圧巻でした、息が詰まりました、感情が剥き出しのまま刺さってきました。歌詞とのシンクロもすごかったです。神様への必死の訴え、ダンサーとして生きた自身への鎮魂歌にも聞こえました。

しかし、そこからの復活劇がまた素晴らしいです。
才能の重圧に潰された彼を救ったのは、彼の才能でした。動画を見た人からの賞賛、踊る事で愛され、求められる。
ダンサーとして生きる意味を見出したセルゲイ・ポルーニンのこれからの人生、きっと幸せだと思います。
本当に素晴らしい作品でした。
ほしざわ

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