takanoひねもすのたり

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.5
舞台袖でセルゲイの踊りを見つめるバレエ少女達…みんな目がハートだよ…。

格差などブチ破れ的な生存バイアスばきばきを地でゆく破格のダンサー、セルゲイ。
あまり裕福とはいえない家庭に産まれ、母親が幼い息子の才能に気が付き、両親・親族総出の学費工面のバックアップでバレエアカデミーに入学。

成長期の時期をバレエ一筋で過ごし、やがて英国のバレエ団へ入団、天賦の才能と強靭な肉体とある意味でバレエの神様から特別ギフトを貰ったような彼は、あっという間にプリンシパルのポジションを得て、人気も得る。

それゆえの孤独さか孤高さか、光あるところに影が有り…彼の抱える葛藤や悩みは誰とも共有できない。

燃え尽き症候群をおこし一旦はバレエを離れようとするものの、何かが彼をバレエへ留めた。

舞台袖で見守る少女達…もしくは同じ年代の男性ダンサー達が、セルゲイと自分との圧倒的な実力の差を見てショックを受けないひとはいないんじゃないかと思う。

孤高であるなら孤高であれ、そして折れるのではなく乗り越えて欲しい。
自分に無い才能と、身体能力で、人を感動させる力があるなら、悩みも葛藤も超えていって欲しい。

多分、あのYouTubeの動画を見た人達の中にそんな風に思ったひともいたんじゃないかと、凡人である自分は、ぼんやり考えるわけです。