猿橋

ブルー・ジェイの猿橋のレビュー・感想・評価

ブルー・ジェイ(2016年製作の映画)
4.5
アマンダが思わず口に含んだ卵ブーッてしちゃうシーン。NG集でこういうシーンよく見るな、と思いました。マーク・デュプラス自身による基本設定だけはあって後は2人の即興らしいので、卵ブーッもたぶん素の反応なんでしょう。

あと、「クリスはもう64歳になるの」って言われて、ジムが「…そんな年上とは思わなかった」というシーン。サラ・ポールソン本人が実際に70歳を優に超えたパートナーと付き合ってるという事実を考えると、このセリフも即興で、ジムの反応も素なのかもしれない。

このように、この映画には即興主体でないと引き出せない自然で、無理がなくて、特別な瞬間が詰まってる。そんな瞬間瞬間の積み重ねを経て、終盤に2人の間のある事情が明らかになる時点までたどり着くと、これまで積み重ねてきた瞬間の意味も鮮やかに塗り変わってしまう。地味そのものかつ小粒そのものな作品だけど、ここには確かにそんなマジックが宿っている。声を大にして言いたい、大好き!

サラ・ポールソンのファンになってしまいました。
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