eulogist2001

太陽の塔のeulogist2001のレビュー・感想・評価

太陽の塔(2018年製作の映画)
4.0
太郎の塔について、8つの観点で文化人類学者や哲学者、民俗学者、建築に携わったものなどの識者が解説や考えを語る。

特に成長より成熟という視点には多いに共感した。それは縄文時代と弥生時代に喩えられ、自由で平等で共生的であった縄文に比較して弥生は農耕に伴い、格差や権力、管理社会の構造の基礎が出来上がり、連綿とその価値の中で現代まで繋がっているというのだ。

単に比較の問題というより、今なおそれを超えて新たな価値を見出せずにいる事。そしてその事に早くから気がついていたのが岡本太郎だったというのだ。むしろ彼は芸術家ではなく、思想家であったのかもしれない。

閉塞的な社会が深まる中、改めて彼の作品を通して、その思想に触れることは多いに勇気づけられ、未来へのヒントに満ちている。
eulogist2001

eulogist2001