このレビューはネタバレを含みます
梁石日原作の小説をかなり前に読んでいたので、覚悟して映画化されたものを見たのだが…。
やはり辛かった。
タイで横行する幼児売春や人身売買という、目を背けたくなるような現実。日本から決して遠くはない国で繰り広げられる、しかも日本人にも加担している者がいるというむご過ぎる物語が心にずしりと響く。
“人の命は地球より重い”とか“人間はみな平等”とか“人の命ほお金では買えない”とか綺麗事はいくらでも並べられるが、現実の格差は誰もがわかっている。
悪の根元を断つことは容易ではない。それでも、一つ一つ潰していくしかない。
あまり説明的な描写は好きではないので、ラストシーンはあれで十分かと思うが…。
南部(江口洋介)の行動は、自らの罪滅ぼしだった…というのはショックだ。
桑田佳祐のエンディング曲は不要だと思う。曲の良し悪しではなくて、あの場面にはふさわしくないと感じた。