Mikiyoshi1986

オリエント急行殺人事件のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.2
冬の時期に相応しいアガサ・クリスティ原作の傑作ミステリー『オリエント急行の殺人』が装いも新たに2017年、待望の映画化!

主演及び監督を務めた英国人俳優ケネス・ブラナーが名探偵エルキュール・ポアロを熱演し、オリエント急行列車内で巻き起こる密室殺人を解き明かします。

結論から言えばシドニー・ルメット版が名作過ぎるが故どうしても見劣る部分は多々あるものの、
リメイクならではの新装感と名優ブラナーが打ち出すポアロ像、そして豪華な俳優陣がグッと華を添えてくれます。

元来の登場人物の多さ故になかなか活かしきれないキャストや不要な小アクションの挿入で中途半端さを露呈させながらも、
WW2前の不穏な空気を微かに感じさせる世界情勢、そして各々の人種意識の入り組んだ脚本がこの物語に一層のリアリティをもたらします。
あとダヴィンチ「最後の晩餐」を彷彿とさせるカットにはさすがにニヤリとさせられましたね。

劇中ではチラッとベルギーチョコレートの老舗「GODIVA」のロゴが映っていましたが、今回ゴディバは本作とタイアップして限定商品を展開しているそう。
しかも本作の半券をゴディバ店舗に持っていくと限定チョコレート一粒が貰えるみたいです!
ヒゲのデザイン可愛いね!欲しい!
ただGODIVAの商標使用は1956年かららしいので、舞台である1934年は時代考証的には無いものかと。

"アームストロング"に関係する人たちの概要と悲哀がどうも弱めで、謎解きのテンポや回想シーンのあっさり具合、目につくCGビジュアルや車両内の地味さ、クライマックスの歯切れの悪さ等もちょっと残念でした。
悪くはないけどとりわけ良くもないという印象を抱いたものの、
揺るがなき事実はミシェル・ファイファーは老けてもなお美しいということ!
それとデイジー・リドリーはスターウォーズ最後まで頑張って!

"あの"続編を示唆するようなエンディング、あるならば是非とも次回に期待したいと思います!

作品に対しては3.3の評価ですが、エンドロールの曲があまりにもミスマッチで余韻さえごっそり吹き飛ばされちゃったので更に1つマイナスで。
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