青いむーみん

ブルーム・オブ・イエスタディの青いむーみんのレビュー・感想・評価

3.3
 ホロコースト研究に勤しむドイツ人とフランス人のイカれた男女が過去に囚われず未来を見ようとする映画。

 この二人があまりイカれてなければもっと普通に受け入れられたと思うが、あまりにも酷いイカれ方をしているのでどうしても応援だとか共感だとかできないし、客観的に物語を見てもイカレ具合が本筋にとってはノイズにしかなってないように見えた。監督はあくまでもコメディとして描きたかったようなのでこういうキャラクター設定にしたのだろうがそれが邪魔して本筋が見えにくくなっているのは手腕の問題ではないだろうか?
 大きく分けて、1メンタルに問題のある主人公達、2ホロコースト研究、3ドイツ男とフランス女と三つの設定があるが、2と3は永遠のテーマだから絡み合うのは当然だけど、重くなりすぎないように1を入れたら効用は当然あって考え込みながら見るような感覚ではなくなったんだけど、度合いが強すぎて二人を理解できなくしてしまっていた。となると、理解できない二人だああだこうだやってももう物語に惹かれない。このキャラ設定は致命的だろう。エンディングのトトの動きを見ると残念でならない。興味深いテーマなので「やり方次第ではもっと上手くできたろうに…」と思ってしまう。