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サーミの血のkanegon69のレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
3.6
1930年代、北欧の先住少数民族サーミ人の様子を描く。スウェーデン北部の山間部に住む中学生の少女エレ。成績優秀だがこの当時のスウェーデンでは酷い差別を受けており、学校までの道のりでも罵られ、進学も認められない。理由は驚くべきことに「研究によりあなたたちサーミ人の脳は文明には適応できない」と教師に断言される。絶望した彼女はどうにか脱出できないものかと思案していた。変装してもぐりこんだダンスパーティでニコラスという青年に出会い恋をし、街を出て彼の家に向かうが、、

先住民族は世界中の多くの地域で差別や迫害により虐げられてきていますが、北欧でも例外ではなかったようです。人間というのはつくづく異なるものを受容しない、自分より下を作り、自分が上位でいることで安定を得ようとするもんだなと思いますね。しかもその価値観はあくまで自分本位の考えのもとにおいてです。力により征服し、差別・迫害により人間以下の扱いを平然とできるが、宗教心もあれば家族も大事にする。すごく矛盾していますが、それが当然と思って疑わないわけです。人間というものはかくも容易に差別を正当化するのだということを改めて認識させられますね。日本人も同じであることを忘れてはいけないと思います。
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