あんじょーら

聖なる地獄のあんじょーらのレビュー・感想・評価

聖なる地獄(2016年製作の映画)
3.0
ミッドサマーという映画のラスト、私はあまり納得できませんでした。だってカルトなんですから・・・カルトの中にいる人は、カルトの怖さを理解出来ないし、否定したいと思います。でも、そこに安住の地を見つけても、それは地獄だったりするわけです。




で、そういうモノを描いた作品が、この聖なる地獄です。




私は、やはりスピリチュアルという単語にうさん臭さしか感じないんですけれど、カルトに嵌り易い人、という方は、個人的に居ると思うし、性善説を唱える人は危ないと思う。



多分、化学的にも、科学的にも、暗示的にも、神を見せる事は出来る。そしてそれは体験としてはすさまじいと思いますが、神じゃなく、ケミカルに、サイコロジカルに、神だと脳が誤った判断をしたから、だと思う。個人的には文化的な神(神が存在する事で得られた文化的価値)は認められるけれど、所詮は人間が作り上げた妄想だと思う。でも、もちろん神を信仰する人とも共生したい、信仰は、人の心は何物にもけがされない未踏の大地だと思います。




ブッダフィールドという今作で扱っているカルト、対外的な危険は少なかったと思います。が、中にいる人間にとっては、そうでは無かったと思います。マインドコントロールの恐ろしさを描いた傑作。



自分の人生を25年棒に振るって、どんな体験なんだろう・・・棒に振った、とは言い切れないと思う、心で理解していても。そして、大変に深い傷を負う事になる。取り返しのつかなさとして、25年という時間は、あまりに重い。



もちろん教祖が問題だが、しかし、本人にも問題はある。