ガンビー教授

ディザスター・アーティストのガンビー教授のレビュー・感想・評価

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怪作『THE ROOM』について最低限知っていたほうが楽しめる気がしました。エド・ウッドがクソ映画界のグリフィスなら、トミー・ウィソーはオーソン・ウェルズだ。全体的に、この奇妙な題材をよくこんなコメディの体裁に落とし込めたな、と感心する。

ただ、最後に2分割画面で並べて示されるオリジナルの『THE ROOM』と本作のために後から作られた完コピ版では、秒単位で画面の内容が摸倣されているにも関わらず、明らかにオリジナルにしか宿っていない何ものかのパワーのようなものが歴然として見える。人々の記憶にこびりつき続ける映画というものは、傑作だろうと怪作だろうと他人がコピーしきれないオーラのようなものを纏っている。
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