Aya

メイド・イン・フランス パリ爆破テロ計画のAyaのレビュー・感想・評価

3.4
これドキュメンタリーかと思って借りたんですけど、劇映画なんですね。
フランス映画き多いですねこういうの。

アルジェリア人とフランス人のハーフのサムはフリーのジャーナリスト。
子供と妻に恵まれた生活だが、父がムスリムだったが自身は無宗教で、イスラム原理主義組織に潜入し、テロ事件のルポを書こうとするが、日々を一緒に過ごす中で仲間意識が芽生える。
そこに現地で訓練を受けた影響力のあるハッサンという青年が戻ってくることでテロ計画が本格的に動き出してゆく。

ISのテロの標的になりまくりのフランスなので、この映画はそれを組んで作られたのかと思ったら、その前に作られたけど、相次ぐテロ事件で公開がどんどん延期されたという経緯があるそうで。

まあそうなるだろうなー!という内容。
テロ組織側から見たお話なので、被害者の立場からまだ熱も冷めない時期に見るにはキツいと思う。

劇映画でサムという確固たる主観から見た話なのでものすごく飲み込みやすい作りになっております。
結構、あー潜入取材ってそういう感じになるよね〜という通りの主人公の揺れ動く気持ち、そして意外にあっさり死んでゆく仲間たち。
そして慎重なハッサンの真実・・・。

キャラもそれぞれしっかりしてて、明らか流行りに乗っかってる系の若者、ビビり屋、傾倒しすぎて突っ掛かってくる奴、普通のフランスに暮らす若者たちなんですよね・・・。
すげえ地続きだと思った。

ラストに向かう展開も無理なくスムーズだし「スカーフェイス」のようなラストは内容柄ちょっと笑えない。

興味がある方は是非見て損はない作品。
似た設計の映画「パリ警視庁:未成年保護部隊」より全然良い。

そしてサムがラストに素晴らしい言葉を残してくれる。

「信教は闇ではない。人に愛を教え、命を尊ぶものだ」
Aya

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