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THE BATMAN-ザ・バットマンーのVigocultureのレビュー・感想・評価

3.5
未熟なバットマンの誕生を、じっくりすぎるほど丁寧に描いた1作目という感じか。

まるで無口なスパイダーマン。親切だけど無口で根暗で無愛想な隣人。

謎解きのテンポは微妙な仕上がり。
(探偵が)ババっと解ける謎の数が多いだけという、いまいちさ。

面白くはなかったけど、音楽は良かったし、思い返せば愛着の湧くキャラに仕上がってる。観客のほとんどはペンギンへの愛が止まらないだろう。

初期シリーズとノーラン版しか観ていないので、世界観的には初期作(アメコミ)に戻った感じかな?
ずーっと夜中のジトジト暗黒街を彷徨うあたりにそれを感じたけど、その姿と日記語りがまさしくウォッチメン。
(ウォッチメンがマーベルのDCの皮肉なのだけど)

中高生時にノーラン版がリアルタイムだった人間にとっては、あのスタイリッシュさとメカニカルデザインが最高に厨二心をくすぐったわけで、肩幅とアゴの強さで攻めるベンアフレック版は観てられなかったわけ。

今作ももしかしたら、中高生で見るなら最高だったかもしれない。童貞感しかないモヤシイケメンが探偵となり、90年代〜0年代のサイコスリラーを解決していく。頭の硬いノーランと違って物理的なことは気にせず、なにがあっても怪我をしないモヤシ主人公は、最終的には特に頭がいいわけでもないことを看破され、それでも地道な慈善活動に身を置くだけ。優秀なサポート役もいない。
まるで無口なスパイダーマン。親切だけど無口で根暗で無愛想な隣人。

謎解きのテンポは微妙な仕上がり。
(探偵が)ババっと解ける謎の数が多いだけという、いまいちさ。

面白くはなかったけど、音楽は良かったし、思い返せば愛着の湧くキャラに仕上がってる。観客のほとんどはペンギンへの愛が止まらないだろう。

とはいえ、やはり長すぎる、冗長。
2個ぐらい謎があろうがなかろうがよかっただろうし、ラストのアクションもボスが捕まってる中の雑兵とのバトルは興味がない。溺れるわけでも死ぬわけでもないケーブルの切断シーンのスローは意味不明。最後のキャットウーマンとの墓地でのやりとりからのバイクのかけっこの5分はもう早く終わって欲しかった。
まぁ、強いて言えば童貞具合が強調されただけか。

やり尽くされたキャラクターで完全に違うテイストを持ち出せたのはすごい。
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