「ザ・フラッシュ」に備えたDCコミックシリーズ未見作のおさらい その⑥
今更ながら全然見てなかったじゃんと自分自身にツッコミ…
いやぁ、クリストファー・ノーラン作と比べてもなお一層暗い。終始シリアストーンなだけでなく画面自体が全体的に暗くて見づらい。そのせいもあるのか登場人物が多い割に顔と名前の判別がつきにくくて一度見ただけではストーリーについていけない。
ブルース・ウェインがかなりの陰キャで感情の昂りもほぼ無く、いつも平坦で魅力が湧きにくいのも難点。本作では意図して彼の内面を抉っているのだと思うが、バットマンに仕込まれた未知なるウェポンや使用する車やバイクには特にスポットを当てることもないのでそこに興味を広げられない。
ヴィランであるリドラーはイカれたサイコパスだが、ちっちゃなSNSの画面を通して何やかんや訴えられても伝わりにくくインパクトがイマイチ。正体が明らかになり奇行に走った思いを独白するが、見た目の弱さもあり小物感は否めず過去のヴィランに比べてカリスマ性を感じられない。
リドラーがインテリな犯罪者で相手と知恵比べして楽しみながら自分のペースに引き込み弄んでいることに対して、バットマンが謎を解明しようとパワースーツに身を包み警察がいる捜査現場に乗り込んでくるのはバットマンを無駄遣いしているようで、もはや滑稽でさえある。謎のマスクの男じゃなかったの？バットマンでこのストーリーにする必要あるの？と思ってしまう。
そして致命的に長い…このトーンで3時間はなかなか集中力が続かない。
どうしても過去のバットマン作品と比べてしまうけど、本作にはダークヒーローとしての魅力は殆ど感じなかった。バットマンは忘れてブルース・ウェインのはなしとして見た方がいいのだろうか。
期待が大きかっただけに残念だった。
