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マンダレーへの道のncccoのレビュー・感想・評価

マンダレーへの道(2016年製作の映画)
3.0
@filmex
主演が「あの頃君を追いかけた」の男の子だけに勝手に希望のあるものかと思っていたら全然違った。釜山映画祭で観たくて観れなかった作品だったので飛びついて観てきたのですがイメージと違って暗くて救いのないストーリーでちょっとどんより、、レイトで観るにはきつかった。

ミャンマーからタイに不法就労する男女。男は最初から女の子が気に入り、細々と優しく面倒を見、彼女と一緒に添い遂げたいと思う。女の子はなんとかビザを手に入れシティーで働いて最後は台湾にまで上り詰めたい。「ここ」で安定したい男と、まだ「ここ」では満足できない女。身につまされるようなあるある話だけれど、女が高額のビザを手に入れるため水商売に身をやつす辺りから男のやり切れなさが募ってきて。。ラストはクーリンチェのような切ない、悲しい幕引きでFin。

主人公たちがことあるごとに食べている乾麺を水で戻したものが、どう見ても美味しそうに見えなくて、なんか胸が詰まった。

不法就労の実態はよくわからないけれど、実際にあるだろうリアルなストーリーがちりばめられていて、日本人として生まれることがどれだけ恵まれていることなのか感じると同時に、こうした環境で育ちハングリー精神に溢れた若者への憧憬と怖さも感じたのでした。
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