マンダレーへの道の作品情報・感想・評価

「マンダレーへの道」に投稿された感想・評価

ミャンマーから興味深い監督が現れた。しっかりとした問題意識を消化した作家性は今後を期待させる。暗闇や光、雨や炎など、自然を使った描写に反逆的な力強さを感じる。人は経済の豊かさを求めて移動する。ミャンマー人にとっての豊かさとは、都市マンダレーであり、隣国タイでもある。
nccco

ncccoの感想・評価

3.0
@filmex
主演が「あの頃君を追いかけた」の男の子だけに勝手に希望のあるものかと思っていたら全然違った。釜山映画祭で観たくて観れなかった作品だったので飛びついて観てきたのですがイメージと違って暗くて救いのないストーリーでちょっとどんより、、レイトで観るにはきつかった。

ミャンマーからタイに不法就労する男女。男は最初から女の子が気に入り、細々と優しく面倒を見、彼女と一緒に添い遂げたいと思う。女の子はなんとかビザを手に入れシティーで働いて最後は台湾にまで上り詰めたい。「ここ」で安定したい男と、まだ「ここ」では満足できない女。身につまされるようなあるある話だけれど、女が高額のビザを手に入れるため水商売に身をやつす辺りから男のやり切れなさが募ってきて。。ラストはクーリンチェのような切ない、悲しい幕引きでFin。

主人公たちがことあるごとに食べている乾麺を水で戻したものが、どう見ても美味しそうに見えなくて、なんか胸が詰まった。

不法就労の実態はよくわからないけれど、実際にあるだろうリアルなストーリーがちりばめられていて、日本人として生まれることがどれだけ恵まれていることなのか感じると同時に、こうした環境で育ちハングリー精神に溢れた若者への憧憬と怖さも感じたのでした。
留まろうとする男と歩み続ける女…男と女の違いが分かりやすくハッキリしていることによって逆に考えさせられるスリリングな物語でした。トカゲのような分かりやすいメタファーも良かった。
それにしても、実話ベースとはいえ、あの結末はどうにかならなかったのかな。身も蓋もなさ過ぎ…。
ひろせ

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3.6
何語かしらこれ、ビルマ語でもタイ語でも中国語でもないぞ…と思っていたけど雲南語でした。雲南語の映画ははじめて。

主演2人がとてもいいねえー
はじめはあんなに美しいふたりだったのに…

出稼ぎ、想像するだけで大変だなあ。。
騙しおってあいつら。。。

紡績工場?っていうロケーションがよかった。白い糸がきれいで。抗えない運命に絡め取られていくひとびと。

水祭りのシーンもきれいだったなあ

しかしなんでマンダレーなんだろう?地理的にあんま関係なくない?
古い映画に同名のがあるからそれのオマージュなのか?歌もあるみたいですね。

ブッダが血を浴びるのはちょっと安直かな。後味は…むむむ

祖国を捨てても前へ向うとする女の方に共感するかなわたしは…
東京フィルメックス2016にて。なかなかの良作。日本公開あるかも? 男の子と女の子、気持ちの違いは万国共通なんだよね。女の子が石川佳純に似てた。
TOT

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3.3
ミャンマーからタイに不法就労する男女が助け合いながら淡い恋心を育むも、女は先に進もうとし、男は留まろうとする。
予測できても切ない結末は、どうしたって辛い。
男の子の顔が良い面構えで好きだった。
なんとなく『シクロ』を観た時の悲しみを思い出しました。

東京フィルメックスにて
masaakib

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3.5
ミャンマーからタイに密入国する出稼ぎ労働者の実態を背景に描いた作品で、劇映画でありながら、ルポルタージュのようでもある。
不法入国してまでも外国に移住しようというインセンティブがほぼ皆無の日本人にとって、不法移民を主人公に据えた話はなかなか取っつきにくい。
しかしこの映画は違った。共同生活を送る部屋、食堂の皿洗い場、工場で休憩時間に食べるヌードル、雨の交差点を右折するスクーターの群れ、身分証明書偽造代行を村ぐるみで担う田舎の風景…。長回しを多用して丁寧に描かれるシーンによって、自分もタイに不法入国し、その立場ゆえの困難が次々と立ち現れる現実に直面したような気にさせられる。衝撃のラストも必然の結語だと思えたのだ。
とりあえず採点。

たとえば自分が大好きな『シャンドライの恋』と比べて、何が違うのだろう、ということを、ただいま考え中。
andorinha

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4.5
日本は島国だ。だからこそ他国から侵略されることなく、ほぼ単一民族として長くその国を保ってきた。
しかし、世界に目を向ければそのほとんどの国は他国と国境を接している。人はより多くのお金を手にするため、家族を養うため、よりよい生活をするため、その可能性のあるところに流れていく。まるで高いところから低いところに流れる川のように。それがたとえ違法な手段であったとしても。

同じくミャンマーからタイへと流れてきた主人公の男と女。ただこの二人は目標に開きがあった。そして目標を達成するための覚悟にはもっと大きな開きがあった。
女は、幾度も足を引っ張られながらも、泥沼の中を必死で前へと進む。男は、女に追いつけない、振り返ってもらえない焦りからラストシーンの行動に移ってしまったのだろうか。

ミャンマーからタイに着いた女がカバンから出してきたものは、瓶に入った漬物や味噌、乾物といった故郷の味。でも普段は具のないほぼ麺だけのインスタントラーメンや焼きそばで日々を過ごす。
私はふと考えた。「私が着ている服や旅行先での食事は、彼らのそういった慎ましやかな日常の上に成り立っているのかもしれない」と。
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