きんゐかうし卿

クリムゾンのきんゐかうし卿のネタバレレビュー・内容・結末

クリムゾン(2015年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

 




『過度な期待をしなければ悪くない出来』

自宅にて鑑賞。日本劇場未公開のTV用ムービーで原題"The Hollow"。外界から切り離された呪われた孤島におけるサバイバル・ホラー。身のこなしがしなやかな『モンスター・オブ・レジェンド('13)』のが燃えた様なクリーチャーだと思ったら、両作は同じS.ウィルソン監督で、製作会社も同じSyfyであった(脚本や製作を始め、両作には共通するスタッフやキャストが多い)。劇中に起こる出来事や展開は、恐らく全てが想定内であり、予想しうる範囲内でしか物語は動かないが、意外性さえ期待しなければ、充分愉しめる。65/100点。

・物語の軸となる三姉妹は、何かと気負い、しっかり者でいようとするS.ハント演じる長女“サラ”、姉とは末妹を気に掛ける共通の想いはあるものの何かとぶつかり、常に口論となってしまう口煩い次女“マーリー(演者:S.ダグデイル)”、予知夢めいた不思議な力を持つ反面、その力を得るきっかけともなった目前での両親の事故死により、トラウマを抱え、自分を責め続けた挙句、直ぐに姿を消す三女“エマ(演者:A.ニュートン)”と云う面々で、各々キャラクターがしっかり立っている。

・序盤早々から壮大な迄にバタバタと人が死にまくる──大きなネタバレをすると、冒頭の黒犬“チャーリー”はどうなったのか不明であるが、チラッとでも画面に写る登場人物の内、生き残るのはたった二人と云う情け容赦無い潔い迄の死亡率で、これをどう感じるかで、評価が分かれるのではないだろうか。全篇、CGIはよく頑張っており、ラスト迄、見劣りする事はなかったが、ゴア描写や痛いシーンは最小限に抑えられているので、そのテのが苦手な向きでも愉しめると思う。

・ロケは主にカナダのブリティッシュコロンビア州で決行されたが、J.ホワイトセルの“アレックス”が保安官事務所内で襲われる際に貼り出されていた地図は、米国のワシントン州スカジット郡内に位置するゲムズ島である。

・鑑賞日:2019年1月19日(土)