みりお

ロニートとエスティ 彼女たちの選択のみりおのレビュー・感想・評価

4.0
Filmarks試写会で鑑賞🎶
ここのとこバタバタしてて試写会申し込めてなかったから、久々の参加でわくわく☺️💓

そしてこれまた、素晴らしい作品でした✨
ハリウッドトップ女優が、「自身が演じる」と言い張るほど惚れ込んだ原作。
だからこそ叶った二大女優の共演。
しっかりお金をかけて練られた構想と構図。
もちろんお金をかければ良い作品が生まれるわけではないけれど、ハリウッドという場所で、お金と人を費やして、男性監督がこういう作品を撮ってくれたことに本当に意味があると思います✨

みりおは大学時代、映画の中のLGBTQについて少しばかり研究していたので、そのタブー性や、特に"ゲイ作品よりもレズビアン作品の方が敬遠される事実"は、多少なりとも認識しているつもりです。
美しすぎる少年は称賛されるのに、ボーイッシュすぎる少女はウケない。
男性同士の愛を描きたい人は受け入れられるのに、女性同士の愛を描こうとする人は肩身が狭い。
もうね、ともかく全ての理論が男性視点偏重、「男性が撮りたいと思うか」なんです。

Filmarksでたくさんの方と仲良くなれてお話できる人が増えてすごく嬉しいので、こんな発言をきっかけに嫌われてしまうんじゃないかと心配ですが、でも誤解を恐れず言ってみます😣
「女性の権利も叫ばれて、女性が好きな仕事をできて、そんな世の中になったのにまだ何が不満なの?」という男性は、正直まだたくさんいます。
だけど、それは違うんだよな…
女性が欲しいのは、女性が好き放題生きられる世の中ではなく、女性が同様に尊重される世の中なんです。
ハリウッド女優がキラキラのドレスで、セクシーアイコンとして、体をめちゃくちゃ露出しながら、女優賞をもらうためにレッドカーペットを歩く世界がほしいんじゃない。
女性に女性らしさが求められるのではなく、男女関係なく監督賞・作品賞を受け取るためにレッドカーペットを称賛されながら歩く世界がほしいんです。
アカデミー賞作品賞ノミネート発表時の「おめでとう、男性の皆さん」発言は、それを意図してのことなんだと思います。
でもそれが伝わらない…
それは、いまの世の中で叫ばれている男女平等は、まだまだ男性視点での男女平等でしかないからなんです。

その点レズビアン映画の立ち位置は本当に肩身が狭い時代が続いていたと、私は思います。
だって男性視点のメリットや、男性が観たい女性像は、そこには何もないんだもの。
本作のロニートとエスティも、男性からしたらほんっとに受け入れがたい強さを持っていると思います。
自らのセクシャリティと、それを受け入れないコミュニティとが対立したとき、コミュニティをバサッと捨てられる人や、「自分の子供にだけは自由な選択を」と叫ぶ人は、可愛らしさとは真逆の"強い"存在ですよね。

でもそんな2人が、何の迷いもなくその選択をして、輝かしい人生を送ったかというと、決してそれは違う。
自らが選んだ選択が正しかったのか悩み続け、常に緊張し、安らぎのない人生だったと思います。
そんな人生、考えただけでゾッとする。
でもそんな緊張や痛みを伴うとしても、自身の選択に責任を持とうと、必死に強くいようとしたのが、ロニートとエスティだったんです。
そう考えると、序盤の言葉「自由とは、特権でもあり重荷でもある」に物語が帰結していくことがとてもよくわかるし、だからこそこのお話はレズビアン映画であると同時に、深く意味のある人間ドラマへと昇華していくのです✨

本作はLGBTQ映画というよりは、強く生きようとする(セクシュアル・)マイノリティを鋭く描いた、素晴らしい作品だったと思います☺️✨
試写後のトークショーでも言っていましたが、この作品をハッピーエンドと感じるか、アンハッピーエンドと感じるかは、観た人によってかなり意見が割れるそうです🌀
だからここではあまり映画の内容には触れたくないので言いません💦
ただ一つ言えるのは、「これは本当に一人でも多くの人に観てほしい❣️」ということ!
どうか一人でも多くの人の目に触れますように✨


【ストーリー】

厳しいユダヤコミュニティーで育ったロニート(レイチェル・ワイズ)とエスティ(レイチェル・マクアダムス)は自然と恋に落ちるが、宗教上許されぬ行為とされ、ロニートは父と信仰を捨てて故郷を離れ、エスティは幼なじみのドヴィッド(アレッサンドロ・ニヴォラ)の妻になりユダヤ社会で生きることに…
時は流れ、父の死を契機に帰郷したロニートは、エスティと再会する。


【キャスト・スタッフ】

*監督:セバスティアン・レリオ

場面と場面のつながりが若干弱い画を撮る人だなぁと思ったので、賛否は分かれるかもしれませんが、心の移り変わりをとても丁寧に描く監督さんだなぁと思いました✨
しかも男性はもちろん女性の気持ちも理解し切って描いてるのがすごくよかった❣️
アルゼンチン出身🇦🇷
大学でジャーナリズムを学び、短編映画やMVを監督した後に、2005年『La Sagrada Familia』で長編映画監督デビュー🌟
この映画は100以上の映画祭で上映され、国内外の多くの賞を獲得したそうです✨
また2017年には『ナチュラルウーマン』アカデミー賞で外国語映画賞を獲得し、名実ともにその名を知らしめたそうです🙌


*ロニート:レイチェル・ワイズ

今作もほんっとよかった、レイチェル❣️
この人の視線や喋り方って本当に心地いいなぁとつくづく思いました✨
レイチェルはイングランド出身🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿
父も母も実際にユダヤのルーツだそうで、だからこそ彼女はこの作品に強い思い入れを持ったんですね。
ケンブリッジ大で英文学を学ぶ秀才でしたが、演技に興味を持ち劇団を立ち上げ🙌
TV映画で活躍した後、1995年に『デスマシーン』で映画デビュー🌟
そしてレイチェルがなによりキュートな『ハムナプトラ』シリーズで世界的な知名度を得て、女優としてのキャリアをますます充実させていったそうです❣️
『ハムナプトラ』で彼女を観たときは、まさかここまで演技派だとはほんと思わなかったけど、それこそが彼女の努力の証なんだろうなぁと思いますね☺️🍀
そして2005年の『ナイロビの蜂』ではアカデミー賞助演女優賞を受賞しています👏
主な出演作は『魅せられて』『アバウト・ア・ボーイ』『コンスタンティン』『ラブリー・ボーン』『女王陛下のお気に入り』など。
そして5月公開の『ブラック・ウィドゥ』への出演も決まっているし、めちゃくちゃ楽しみー😆❤️


*エスティ:レイチェル・マクアダムス

もう一人のレイチェル❣️
こちらは年齢を感じさせない不思議な可愛さがほんと衰えない🙈💓
女から見ても守ってあげたいか弱さいっぱいの前半も、強い意志をひしひしと感じさせる後半も、どちらも「これこそエスティ」だと思わせてしまうこの演技力はなんなのでしょう╰(*´︶`*)╯♡
ほんと素敵❣️
レイチェルはカナダ出身🇨🇦
子供の頃から劇団に所属し、1998年にディズニー映画『 The Famous Jett Jackson 』でデビュー🌟
そして2004年『きみに読む物語』でブレイクし認知度を高めました✨
ものすごい美人というわけではないのに、キュートな女性を演じさせたら右に出る者はいないんじゃないかと思うくらい可愛い☺️💓
主な出演作は『シャーロック・ホームズ』シリーズ、『恋とニュースのつくり方』『ミッドナイト・イン・パリ』『ドクター・ストレンジ』など。


*ドヴィッド:アレッサンドロ・ニヴォラ

エスティの旦那さんでラビの後継者。
この人がまたよかった❣️
ほんっと良い役でした😭❣️
アレッサンドロは米・マサチューセッツ州出身🇺🇸
母方がユダヤ系らしく、この方もルーツはそこにあったんですね✨
エール大で英文学を専攻するという秀才でしたが、在学中に演技に目覚め、ブロードウェイを中心に活躍✨
なんだかレイチェル・ワイズと似た経歴だなぁ〜と思ってたら衝撃👀‼️
2人昔付き合ってた‼️
ってことは、昔付き合ってた2人が、今作では恋のライバルとして三角関係を演じてたってこと⁉️
わああああああすごっ‼️笑
さぁ話を戻しますと、アレッサンドロは1998年に『秘密の絆』で映画デビュー🌟
同年に『フェイス/オフ』にも出演していたようで、ニコケイが溺愛していたあの弟か!!とまた衝撃を受けました😂👏
その他の出演作は『ジュラシック・パークⅢ』『GOAL!』『ネオン・デーモン』など。
みりお

みりお