ペンソー

プレッピー・コネクションのペンソーのレビュー・感想・評価

プレッピー・コネクション(2015年製作の映画)
3.8
"プロジェクトX"のT・マン主演作品。
L・フライ共演。

裕福な家庭で権力者の子どもが入る全寮制学校に入学した一般家庭の主人公が、麻薬の密売で地位を獲得し転落するまでの一部始終を描いた実話に基づく物語。

育ってきた環境が違い、価値観が合わない周囲の人間たちとのギャップにふと感じる疎外感、学生特有のヒエラルキーの頂点と底辺に位置する人間同士の欺瞞に満ちた、口には出さずとも感じる主従の関係が、淡々とした作品の雰囲気から伝わってきた。

心の底では真の仲間にはなれないと分かっていながらも、彼らを信じたい気持ちの中での行動として主人公はコロンビアまで飛び、仲間になりたい一心で麻薬を密輸する。
一瞬は生まれながらにして違う人間だということを忘れ、仲間になれた、むしろ彼らを超えたとまで勘違いをする主人公、しかしながら主人公は「やはり住む世界が違う人間なんだ」ということを悟ってしまう。

最後は観る人によって感じ方が違うかもしれないけど、自分は「生まれながらにして相容れない人間」というのは存在するんだなぁと思いました。
「住む世界が違う人間同士の人間関係なんて所詮はその程度」という悲しい気持ちになり、さらに学生の麻薬密売という実話を基にしているということ、そしてヒエラルキーについて考えさせられるとても面白い作品で、BGMがとてもいい雰囲気を醸し出していました。
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