こちらも本日配信終了のNetflix英語プロフィール配信作品。
ディケンズの『大いなる遺産』のインド版映画化ですが、雰囲気がアルフォンス・クアロン監督、グウィネス・パルトロゥとイーサン・ホーク共演の『大いなる遺産』によく似ています。監督は"Kai Po Che"のアビシェーク・カプール。手堅い出来で、映像が大変美しい。主な舞台はカシミール。
主演カップルがアーディティヤ・ローイ・カプールとカトリーナ・カイフで、この二人も絵に描いたような美男美女で演技はしっかりしている。で、カトリーナの母親役がタッブーさん。タッブーさんの若い頃をアディティ・ラーオ・ハイダリーが演じていて、とても馴染んでいました。ヒットはしなかったようなんですが、なかなか良い出来です。
カシミールの政情もやや絡めての脚本で、物語の流れはあまり変わらないものの、行動に至る登場人物の心情はかなり違うというか、まるで違う話になっているかも。とても手堅い脚色で無理がなかったと思います。
最後はインド映画のたいていの脚色ものと一緒ですが、それゆえにすっきりと纏まったというタイプの作品でした。
これは映画祭というより特集上映むきでインド映画ファンでない人の方がむしろ楽しめるかもしれません。今からでも劇場公開があっても良いかと思いました。