ノラネコの呑んで観るシネマ

ぼくの名前はズッキーニのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ぼくの名前はズッキーニ(2016年製作の映画)
4.5
これは味わいの深い良い作品。
母を亡くした少年ズッキーニ(この名前にも訳が)が施設に送られ、孤児たちとかけがえのない時間を過ごす。
この種の話にありがちな、子ども同士のイジメや悪い大人の話もあるにはあるけど、最小限。
描きたいのはそこじゃないのだ。
キャラクターは可愛いけど、子どもたちが抱えている問題は、性犯罪から移民問題までとことんヘビー。
彼らに共通するのは、自分は愛されていないと思っていること。
これはそんな子どもたちが愛される喜びを知り、愛する喜びを実践できるまでの物語なのだ。
クレジットがやたらと長いので、実質的な尺は60分。
コンパクトな中に、実に効率的に筋立てが組み立てられていて、観る人はいつに間にか子どもたちに寄り添い、彼らの里親になった気分に。
人形アニメーションの豊かな演技、世界観のカリカチュアも素晴らしい。
ブログ記事:
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