RyotaMori

クルエラのRyotaMoriのレビュー・感想・評価

クルエラ(2021年製作の映画)
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クレイグ・ギレスピー監督の作品は「アイ・トーニャ」に続き2作目の鑑賞。
ある女性がヴィランと化していく過程を描く。「アイ・トーニャ」でもそうだったが、癖が強くて魅力的な中高年女性を描かせたらこの監督の右に出る者はそうそういないと思う。本作はヴィラン対ヴィランという構造を持つ。クルエラと対決するもう一人のヴィランは、主人公が務めることになるオートクチュールのボスであり、主人公がクルエラというヴィランに変身する元凶となった女性である。彼女の造形が素晴らしかった。デザイナーとしての実力や主人公の才能を見抜く観察眼、人心を掌握して利用する狡猾さ持ち合わせる彼女を憎みながらもどこか好きになった。
「アイ・トーニャ」で虚言癖の友人役で怪演を見せてくれたポール・ウォルター・ハウザーが今回も出演していて重要な役を担っていた。「アイ・トーニャ」と「クルエラ」を並べてみると、なんとなく監督の好きになる人物像が分かってくるような気がした。
一緒に見た人が、作中一度もFワードが出てこなかったと指摘していてハッとした。やはりディズニー製作というのが影響しているのだろうか。
また結局女の敵は女という旧来の構図になっていた点が少し気になった。
しかし犬たちは本当にかわいいです。エンドロールでは「犬は保護施設でもらいましょう」と書いてあり、そこはさすがと思った。
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