RyotaMori

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのRyotaMoriのレビュー・感想・評価

-
クルエラを見るためにクレイグ・ガレスピー監督の過去作である本作を鑑賞。
愛か憎悪かの二極に振れるアメリカという国の象徴としてトーニャ・ハーディングを描く。憎まれることを通じて愛されるヒール役、ヴィランとしてのアメリカの象徴。
この映画を見た後にクルエラを見ると、このキャラクターがクルエラにつながったのかと納得。
映画の導入部はモキュメンタリーの形式をとり、実際の人物を基に作られた映画だということを観客に意識させる。
実際の人物を基にしているということがかえって人物のめちゃくちゃさに説得力を与えていると感じた。トーニャはもちろん彼女の母や虚言癖の彼氏友人など、普通のフィクションに登場させればキャラが濃すぎて現実味がないような人物なのだ。特にトーニャの母が個人的には最高だった。酸素吸入器をつけながら煙草を吸い、肩には鳥を乗せてインタビューに答えるおかっぱ頭の気が強すぎる老婦人という要素の渋滞が起こっていたが、それを魅力的に観客に伝えている。
RyotaMori

RyotaMori