てるる

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのてるるのレビュー・感想・評価

3.5
あれ?バッキーいない?
基本観る前は情報シャットアウトするのでセバスチャン・スタン出てるの知らなくてテンション上がったけど…クズ役だったので逆にテンション下がるっていう。

劇中でTVプロデューサーみたいな人も言ってたけど、ホントにバカしか出てこない。
しかも見てて楽しくなるようなバカじゃなくて、人に迷惑をかけるような不快なバカ。

そして皆が誰かの為を思ってやったというけど、根底にあるのは自己中な考えばかりなので誰にも共感できないし感情移入出来ないから、ただ淡々と観てる感じ。

オリンピック出場に王手をかけながらもライバルを襲撃したスケーター、トーニャ・ハーディング。
当時の関係者のインタビューを基に構築した彼女の半生。

この映画は色んな人の主観に基づくものなので、どこまでが本当のことかは分からない。
ただ、言えることは環境が人を形作ること、そして教育って大事だなってこと…。

彼女は環境さえ良ければちゃんとした功績を残したかもしれない。
子供をしつけるのに、本当に悪いことをしたら尻を叩くことも必要。

でもトーニャの母親は叩きすぎだし、それだけでなく言葉の暴力まで振るう。
でも無闇やたらと暴力でしつけようとすると子供は自分に自信が無くなる。
だからその自信の無さを別の物で埋めようとしてしまう。
おそらくトーニャにとっては、それがスケートと、DV夫だったのかもしれない。

映画の内容は別として、役者陣は本当に上手い。
マーゴット・ロビーは強くて脆いという複雑な女性を見事に演じきってた。
特に鏡の前での表情の変化は素晴らしいの一言。

母親ラヴォナ役のアリソン・ジャニーも、本人が性格悪いんじゃないかってくらいの嫌な役がハマりすぎて怖い。

そしてダメ夫役のセバスチャン・スタン。
冒頭でも書いたけど、バッキーが泣くよ?てくらいバカで短絡的思考の情けない暴力男役。

唯一の癒やしはトーニャの子供時代を演じたマッケナ・グレースかな。
相変わらず天使みたいな可愛さで「ギフテッド」を観直したくなったわ。

これらの俳優たちで無ければただのバカ親子とバカ夫婦とバカ友達を延々見せられるだけ。
点数も内訳で言えば、「内容1、演技に2.5 」って感じ。

あ、ちなみにバカ友達の最後のインタビューは最高に面白いですw
てるる

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