ガンビー教授

犬ヶ島のガンビー教授のレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
-
子供の頃に見た映画について思い返してみると、何も映画の経験がなかったから、ひとつひとつのシーンすべてが新鮮に見えた。映画は徹頭徹尾「見たことのないもの」未知な何か、だった。

「犬ヶ島」を見ていてその感覚を久々に思い出した。もともと短い(101分)作品ではあるが、あまりに短く感じられた。全てのシーンが圧倒的な美学と「勝手さ」に裏打ちされており、目まぐるしく通り過ぎていく。

ウェス・アンダーソンはめちゃくちゃ勝手な作家であるが(というか映画作家とはもともと勝手なものかもしれない)、今作の勝手さは凄まじい。何しろ日本と犬、という取り合わせにも必然性というようなものはほぼない。ウェス・アンダーソンが日本も犬も描きたかったから描く。誰も、文句なんてあるはずがない。
ガンビー教授

ガンビー教授